?.放談 「横井君と藤原君、そして赤峰君のあげな話、こげな話」 第92回
慰安婦問題の根拠となった吉田証言とは何なのか
(「朝日新聞への不信感が日増しに高まっている」のつづき)
藤原 やはり、これまで話が大きくなったのは吉田清治証言がものすごい悪影響をもたらしたということですね。日本側に嘘が広まっただけでなく、韓国側にも嘘が広がった。そして韓国では、嘘をついてでもいいから、日本からお金をとっていこうという風潮をもつくっていったのですね。
その意味では、ここで、吉田証言の嘘の内容をしっかりと確認しておいた方がいいですね。赤峰さん、資料の提示をお願いします。
赤峰 主要年表をもう一度まとめなおしました(敬称略)。ご覧ください。最重要は赤字です。
1947年 吉田清治が日本共産党から下関市議会選挙に立候補。129票を獲得も落選
1977年 吉田清治が 『朝鮮人慰安婦と日本人』という本で「日本軍人が朝鮮女性を強制連行して慰安婦にした」 と証言
1982年 吉田清治が 「朝鮮人の奴隷狩りがあった」 と証言
1983年 吉田清治が 「私の戦争犯罪」 を出版 朝日新聞、赤旗にて掲載
1989年 韓国・済州島の済州新聞が 「私の戦争犯罪」 は捏造と報じる (なお、「私の戦争犯罪」の舞台は「韓国・済州島」である)
1991年 朝日新聞記者・植村隆が08月11日の紙面にて、「従軍慰安婦」について記事を掲載
・裁判にて、親に売られたと証言した人の言葉を、植村隆が日本軍に強制連行されたと捏造して紙面に掲載した
1991年 12月6日に、アジア太平洋戦争韓国人犠牲者補償請求事件として、35人が慰安婦に対する賠償を求めて日本政府を告訴
・原告団長は粱順任(ヤン・スニム)、原告代理人は、福島瑞穂、高木健一、林和男など
・粱順任(ヤン・スニム)は、朝日新聞記者・植村隆の義理の母親
1992年 1月11日 宮澤喜一首相訪韓の5日前のこの日、『朝日新聞』は一面トップで「慰安所、軍関与示す資料」と報道
1月16日 韓国を訪問した宮沢首相は慰安婦問題の報道により、首脳会談で8回謝罪し、「真相究明」を約束する
2月17日 日弁連・戸塚悦朗弁護士が、国連人権委員会において、慰安婦問題を人道上の罪だとして国連の介入を求める
韓国・済州島にて現地調査が行われる。島民からまったく裏付けとなる証言がでてこなかった (5月1日発売の『正論』)
※1992年の吉田清治証言
1月23日、朝日新聞で連行した朝鮮人女性は950人と証言
1月26日、赤旗で連行した女性は1000人以上と証言
3月13日と3月16日、秦郁彦のインタビューで「女子挺身隊の名目で慰安婦を調達した。計950人と記憶しているが、部下は2000人といっている」と答えた。
5月24日、朝日新聞で「男女6000人を強制連行した」と吉田は発言
8月8日、ニューヨークタイムズは吉田は2000人の朝鮮人女性の「狩り」をしたと報道
8月12日、毎日新聞は吉田が1000人徴用したと報道
8月15日、読売新聞は吉田が100人の朝鮮人を海南島へ連行したと報道
11月14日、赤旗は吉田が最低950人、多くて3000人の朝鮮人女性の強制連行をしたと報道
1993年 6月 高校日本史検定済み教科書7社9種類のすべてに、従軍慰安婦に関する記述が掲載されることが判明
8月4日 河野洋平内閣官房長官が旧日本軍の強制連行を認める「河野談話」を発表
1995年 1月 『週刊新潮』 吉田清治の証言が事実無根である事が判明したとの記事を掲載
1996年 2月6日 国際連合人権委員会にクマラスワミ報告書が提出される。附属文書で「慰安婦」を「性的奴隷」と規定し、日本の行為を
「『人道に対する罪』、奴隷制度を禁じた国際慣習法に違反する」と断定した
5月29日の週刊新潮のインタビューにて、吉田清治はフィクションであることを認めた
1989年 8月14日、済州島の現地新聞「済州新聞」の許栄善記者は、済州島城山浦の85歳の女性の「250余の家しかないこの村で15人も
徴用したとすれば大事件であるが、当時はそんな事実はなかった」という証言を紹介し、吉田の著作には「裏付けの証言がない」と
して、吉田のいう済州島での「慰安婦狩り」は事実無根であり、吉田の主張は虚偽であると報じた
2004年 11月29日、日本の最高裁判所にて、日本政府を告訴した原告の敗訴が確定(アジア太平洋戦争韓国人犠牲者補償請求事件)
2011年 5月9日、韓国国内にて粱順任(ヤン・スニム)が日本政府から賠償金をとるからと弁護士費用を集めて、詐欺罪で逮捕
2014年 6月20日 河野談話検証結果を発表。慰安婦の強制性は確認できず、また河野談話は日韓間の協議の結果だったと強調
8月5日、朝日新聞は吉田清治の証言を虚偽と認定し記事を撤回した
藤原 いやはや、これを見れば如何に吉田清治証言が、日本国内にも、韓国にも、そして、国際社会にも極めて重大なる悪影響を与えたことがわかります。また、吉田氏の出鱈目な話を朝日新聞と赤旗が積極的にとりあげていったということも実によくわかります。
横井 それで「新報道2001」の番組の中で、日本共産党の小池氏の歯切れが悪かったんですね。吉田清治氏は日本共産党の所属ですから、日本共産党が嘘をついたことも明らかなのです。
だから、吉田証言が全面的に否定されたために、他の資料を持ち出してでも「強制連行」があったといわなければならなかったということですね。しかし、その根拠となるものがない。だから、最後は金氏ともども論点ずらしをしていくしか手がなかったわけです。
赤峰 ここで吉田証言が一人歩きをし始める発端となったのが1977年の 『朝鮮人慰安婦と日本人』という本です。この本によって、慰安婦の話が受けることを知った吉田氏が話をどんどんふくらし始めたのだと朝鮮問題研究家の松本國俊さんも指摘しておられます。
藤原 吉田氏の具体的な記述内容を引用して下さい。
赤峰 『アジアの声 侵略戦争への告発』=戦争犠牲者を心に刻む会編 東方出版から。
この婦女子の韓国・朝鮮人の従軍慰安婦の徴用のやり方は、私たち実行者が10人か15人、山口県から朝鮮半島に出張し、その道(どう)の警察部を中心にして総督府の警察官50人か100人を動員します。そして警察官の護送トラックを5台から10台準備して、計画通りに村を包囲し、突然、若い女性を全部道路に追い出し、包囲します。そして従軍慰安婦として使えそうな若い女性を強制的に、というか事実は、皆、木剣を持っていましたから殴る蹴(け)るの暴力によってトラックに詰め込み、村中がパニックになっている中を、1つの村から3人、5人、あるいは10人と連行していきます。そして直ちに主要都市の警察署の留置場に入れておいて、3日か5日の間に、予定の100人、あるいは200人の人数をそろえて、朝鮮の鉄道で釜山まで運び、釜山から関釜連絡船で下関へ運んだのです。下関では74部隊といって陸軍の部隊がありましたが、そこの営庭で前線から受け取りにきている軍属に渡します。そしてご用船で中国、あるいは南方へ送るという業務を3年間やっておりました。
横井 こうした嘘の話を朝日新聞は全面的に採用して、日本国内のみならず世界に広げてしまったということなんですね。
赤峰 なお、吉田証言について、もう一点確認しなければならないことがあります。年表をみてもお分かりの通り、日本史の教科書にも記述されているくらいですから、さまざまな文献に重要な資料として転用されているのです。その実態をご覧ください。
吉田証言を記載した著作物の一部
家永三郎『戦争責任』岩波書店、1985年。
鈴木裕子『朝鮮人従軍慰安婦』岩波ブックレット、1992年。
日弁連国際人権部会報告「日本の戦後処理を問う」シンポジウム、1992年。
石川逸子『「従軍慰安婦」にされた少女たち』岩波ジュニア新書、1993年(2005年、十五版)
高木健一『従軍慰安婦と戦後補償』三一書房、1992年。
倉橋正直『従軍慰安婦問題の歴史的研究』共栄書房、1994年。
曾根一夫『元下級兵士が体験見聞した従軍慰安婦』白石書店、1993年。
横井 戦後の日本史教科書を改悪した家永三郎氏にまで引用されているんですか。
藤原 それ以外にも、日弁連の報告や、弁護士の高木健一氏《※1》著作に使われていますね。やはり、吉田証言というものがとんでもないものだったというのが、よく分ります。日本を貶めたいと思っている人物には大変都合のいい証言だったんですね。
《※1》高木健一氏:国連人権委員会慰安婦問題を使った反日運動で、相手国の「被害者」を探し出し、原告に仕立て上げて日本国家に対して訴訟を起こさせるという運動モデルを開発した。何ら訴訟など考えもしなかった当事者に、原告になるように依頼・説得し、訴訟を通じて「事実」をつくり出すということを行う。
横井 「新報道2001」の番組中にフジテレビのスタッフが吉田証言を改めて検証するために済州島にいって取材を敢行しました。あれは実によかったですね。吉田証言が完全な捏造であるということをビジュアルにしてくれました。
藤原 朝日新聞が32年もかかってやっと否定した吉田証言を、わずか6時間の取材で検証してしまいました。
赤峰 以下のサイトで確認できます。(韓国済州島にて)
http://hosyusokuhou.jp/archives/39571982.html
取材クルー「かつてこの島で多くの女性が拉致されたということがありましたか?」
現地韓国おばさん 「そんなの聞いたこともないよ。小さい島だし、そんな事があったら黙っているわけがない」
取材クルー 「吉田証言の中で、ボタン工場の工員の女性が拉致されたとありますが」
元工員韓国男 「その本はデタラメだね。貝殻を踏んで割ってボタンを作るのは凄く力が要るから、工員は男しか居なかったよ」
済州島の海女さんに聞いてみた 。
海女さん 「そんな話 今まで聞いたことないよ」 、「親からだって聞いたことがないね」 、「狭い町だしそんなことがあったら、誰も黙っていないよ」
横井 これだけの証拠を突きつけられたら誰も否定できません。朝日新聞は、吉田証言の裏取りをせずに新聞に使ったのでしょう。これは「日本を貶めるために使える」と考えていたのではないですか?
赤峰 ここまでで、識者からのコメントを頂きましたので紹介いたします。
・日弁連は共産党の出先機関でもあります。
・被害者を装って国を訴えるなどの偽装訴訟を多く手がけています。
・弱者を救済するふりをして政権を攻撃しようと企てています。
・その意味では、朝日、共産党、日弁連は同罪というべきです。
・今までの日本ではそれがまかり通っていましたが、これからの時代は通用しません。
・新聞以外のメディアやネットの普及で、国民が本当のことを知る時代になってきたからです。
・今回の「慰安婦問題」をきっかけに、日本の戦後の闇の部分が同時並行的に明らかにされることになります。
・闇とは、日本共産党と朝日を媒介として、日本に毒を撒き散らした人物や組織です。それが次々と明らかになるということです。
・できましたら逃げ回らずに、潔く責任を取ることを願っています。
つづく
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