?. 赤峰和の時事解説 第104回
国際社会は安倍外交を高く評価した!!

朝日新聞などは、何かと国連を持ち出しては、「国連からこういう勧告があった」との報道はよくするのですが、日本が国連の場で評価されたり、安倍総理の演説が好評を博したときなどは、あまり報道しません。気に入らないのでしょう。
さて、安倍総理は9月26日、国連総会で一般討論演説を行いましたが、大変評判がよかったそうです。日本のマスコミは何故か、あまり詳しく報道しませんので、ここに演説の抜粋を掲載いたします。(なお、演説全文は外務省のサイトをご覧ください。)
議長、来年私達は、国連発足70周年を寿(ことほ)ぎます。国連が出来た頃、日本は一面の焦土から再起しました。以来片時として、戦争の悲惨を忘れたことはありません。自国、他国を問わず無辜の民に惨禍を及ぼした戦争の暴虐を憎み、平和への誓いを新たにするところから、日本は戦後の歩みを始めました。国連活動への、全面的な献身を自らに課す責務としました。
日本の未来は、既往70年の真っ直ぐな延長上にあります。不戦の誓いこそは、日本の国民が世々代々、受け継いでいく、育てていくものです。紛争がその居場所を、我々の心と生き方の中から失って初めて、平和は根を下ろします。そのためにこそ、日本は、世界の草の根で働き続けようとしています。日本とは、これまで、今、この先とも、積極的な平和の推進力である。しかも人の心から「ウォー・カルチャー」をなくそうとし、労を惜しまぬ国であると、まずはそう申し上げ、約束としましょう。
早くも1980年代半ばから、日本はガザで人材育成の協力を始めました。行政官や技術者たちで日本に渡り集中訓練を受けた人の累計は、400人を上回ります。その1人、まだ若い男性ナジャール・オサマ氏は、「ガザには資源が何もない。あるのは人だけで、それは日本も同じだ。自分が日本で学んだのは、決して諦めない精神だ」と語るエネルギー天然資源局の行政官です。日本で1カ月の教育を受けた後、オサマさんは太陽光発電技術を故郷に持ち帰りました。自立電源が最も必要となる施設に、設備を取り付けます。ガザ地区最大の病院に彼とその仲間が導入した装置は、騒乱を耐え抜き、病院の緊急処置室に、明かりを灯し続けたのです。
ソマリアの挿話がやはり明かりにまつわるものであることは、偶然とは思えません。モガディシュの国内避難民キャンプに暮らす10歳の少女、ハミダ・ハッサンちゃんにとって何より必要なものは、夜のテントを明るくする灯でした。明かりに照らされたテントが、性暴力に対する抑止になるのです。昼間の陽光で作った電気を貯え夜の灯火に変えるパナソニック製の小さなランタンを、日本はこの2年で2500個、ハミダちゃんら、いとけない少女を含む避難民のテントに配布しました。いまハミダちゃんは、医者になろうと夢を抱き、勉強に励んでいます。我々は、人の心から不安や恐怖を取り除き、憎しみの芽を摘み取り続けていかねばなりません。そのため日本国と日本国民は、おのれの意欲と能力、知識と経験を、惜しまず差し出し続けます。
まずは、成長の基盤となる教育の充実を、初等教育から職業教育まで、必要とされるところでお手伝いします。目的とするところは、常に同じ、すなわち労働の喜びを、我が物としてもらうことです。働いて流す汗は、未来への投資だと実感してもらいましょう。伸びる道路や、港、つながっていく電力網は、それらと歩みを一にして改善するガバナンスとあいまって、豊かで平和な、人権が尊ばれる社会をもたらすものなのだと、広範な支持を得たとき、人は、社会の真の意味でのオーナーになります。こういう社会を点から線へ、線から面へと広げていくところに、日本は平和の基盤を求めてきました。対外援助の思想を託してきました。
我が政府が旗印とする「積極的平和主義」とは実に、長年「人間の安全保障」の増進、すなわち人間を中心に据えた社会の発展に骨身を惜しまなかった我々が獲得した確信と、自信の、おのずからなる発展の上に立つ旗です。やがてそこから公平・公正で、人間を中心に据えた社会、人権を尊ぶ民主主義がふくよかな稔りを結ぶことを望みつつ、この営みに、日本は邁進してやみません。70年前、国連は「戦争の惨害から将来の世代を救い」、「寛容を実行する」と謳いました。国連もまた、その理想を失ってはならないのです。
議長ならびに各国代表の皆様、まさしくこのような決意をもって、国連がその発足70年を祝う明年の選挙で、日本は非常任理事国として、再び安全保障理事会に加わりたいと考えています。日本は80番目の国として国連に列した1956年以来58年の長きにわたって、国連の大義に自らを捧げて倦むことを知らず、その努力において人後に落ちない国であると確信するものです。節目となるのを機に、我々皆が、志をともにする国々の力をあわせて遂に積年の課題を解き、21世紀の現実に合った姿に国連を改革して、その中で日本は常任理事国となり、ふさわしい役割を担っていきたいと考えています。
なお、安倍総理の演説の中にある「女性の人権問題」については、要約におさまりきれませんでしたので、その部分を抜き出します。非常に重要な発言だと思います。
20世紀には、ひとたび紛争が起きると、女性の名誉と尊厳が、深く傷つけられた歴史がありました。女性に生まれたというだけで、医療ケア、教育といった基本的サービスを受けることができない、ゆえに自立の機会に浴せないという忌まわしい状況が、世界のあちこちに、なお存在します。
日本は、世界中のそうした女性たちに寄り沿う国でありたい。心に大きな傷を受けた女性たちの自立を、世界中で応援し、支えていきたいと考えています。21世紀こそ、女性に対する人権侵害のない世界にしていく。日本は、紛争下での性的暴力をなくすため、国際社会の先頭に立ってリードしていきます。日本がザイナブ・バングーラ「紛争下の性的暴力担当事務総長特別代表事務所」との連携を強化したゆえんがここにあることは、いまさら多言を要しません。
ところで、国連総会に先立つ9月23日に、「対日投資セミナー」で安倍総理は挨拶をしました。結びの言葉が極めて印象的です。
動画:http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/0923seminar_aisatsu.html
この2年間日本に来ていない方、是非日本を訪問していただきたいと思います。我々が政権をとる日本と、その後の日本は大きく変わりました。是非日本を見ていただき、日本に投資していただきたいと思います。
また、安倍総理は 9月23日の国連気候サミットで、「地球温暖化対策に関する日本の取組を紹介するスピーチ」を行いました。午後の分野別のセッションの「強靱性」セッションでは、スチュアート・バルバドス首相と共に共同議長を務め,国際社会において日本が強みを持つ防災分野における日本の国際協力について発信しています。http://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ch/page3_000921.html

さて、24日には、安倍総理は、ヒラリー前米国務長官と対談を行ないました。この中で、安倍総理は、女性の活力を活用する意義について、「企業では女性の参加で生産性は向上する。平和構築でも女性が参加した方がうまくいく」と強調しました。会談後、ヒラリー氏は安倍総理を「彼は有言実行の人だ」と高く評価したといいます。動画:https://www.youtube.com/watch?v=5SvMUYB1P3c
さらに、9月24日、安倍総理は,第二回日・アフリカ地域経済共同体(RECs)議長国首脳会合を主催しました。http://www.mofa.go.jp/mofaj/afr/af2/page1_000068.html
日本側 安倍総理(議長),田中JICA理事長
RECs側 西アフリカ諸国経済共同体:マハマ・ガーナ大統領、政府間開発機構:ハイレマリアム・エチオピア首相、南部アフリカ開発共同体:カスクウェレ・ジンバブエ環境・水・気候大臣、東アフリカ共同体:カマウ・ケニア運輸インフラ長官、中部アフリカ諸国経済共同体及びサヘル・サハラ諸国国家共同体:ヌル・チャド計画大臣、・アラブ・マグレブ連合:オマール・リビア大使、NEPAD:ンジャイ・セネガル外務・在外セネガル人大臣、アフリカ連合委員会:ムエンチャ副委員長、計100名
この会合で安倍総理は,RECsがアフリカ地域統合の要であり,日本はRECsと共に対話を密にしつつ,アフリカのインフラ整備を拡充・強化していく旨述べています。また,日本の借款で建設したコンゴ民主共和国の橋(マタディ橋保全計画)やケニアのモンバサ港開発計画に触れつつ,モノだけでなく人材を残す,地元に強いオーナーシップを育てるという日本のODAを貫く思想があることを紹介しました。
9月26日、国連エボラ出血熱流行対応ハイレベル会合に出席した安倍総理からは,エボラ出血熱の流行に終止符を打つためにできる限りのことをするとの決意を示した上で、「これまで実施済みの支援に加え,新たに4000万ドルの支援を行う」、「日本企業が開発した候補薬品の提供の用意があること」、「防護具、車両の提供,医療関係者の更なる派遣を検討していること」を表明しました。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/af/af1/page3_000930.html
なお、産経新聞報道によりますと、26日、安倍総理は国連PKOに関するハイレベル協議に参加し、PKOへの参加拡大を表明しました。「積極的平和主義」に基づいて、日本の国際貢献の姿勢を示すものとなります。現在、自衛隊のPKO派遣は、南スーダン派遣のミッションだけとなっています。
このように国際舞台でも縦横無尽の活躍をされているのですが、マスコミはあまり評価しておりません。この辺はマスコミとしての責務をもっと果たしてほしいと思います。
また、自国の首相が、国際機関で何を主張しているのかを知ることは、国民としてとても重要なことだと思います。
当ブログにご意見を下さる識者も次のように発言されておられます。
・日本の首相が国連で何を語ったかということが、あまりマスコミでは報道されていないように感じています。
・本来であれば、ニュース番組のトップ、新聞の一面に載るようなことだと思いますが、マスコミの国際感覚の欠如はいかんともしがたいものがあるようです。
・いずれにせよ、安倍総理は着実な一歩を進めていると思います。
・単に力で自己主張をするのではなく、また、自国だけの利益のためでもなく、世界に貢献しようとする積極的な姿勢が見られました。
・演説には具体性もあり、多くの国々に受け入れられた内容だったようです。
・国際的な評価は確実に高まっていますので、国連での一段高い役割を担う条件が整い始めたと言えます。
なお、識者は韓国大統領の演説についてもこのように語っておられますので参考としてお知らせします。
・一方、韓国の朴大統領は、国際的には評価の対象にはならなかったようです。
・国際舞台での活動が、自分の能力を超えていたことや、経験の不足から、精神的疲労が大きかったようです。
・アジア大会開催国として、国威を示すチャンスでもあったのですが、逆に、多くの海外メディアの評判を落とす結果になったことも、大統領の疲れを大きくした原因だったようです。
・韓国の経済危機が深刻度を増しているようです。
・アジア大会でも各国のメディアの評判が悪すぎて、追い詰められているようです。
・一方、相変わらず軍事費に膨大な予算をかけているので、国民の生活は一向に良くなりません。
・ニューヨークの国連ビル周辺でも、韓国人による反朴政権デモも行われ、大統領は相当のうつ状態です。
・この一週間、政治的にも、経済的にも、日韓の明暗がより鮮明に分かれてきたと言えます。
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2.韓国企業との取引や、韓国との文化交流などの中で、慰安婦がらみの屈辱を受けたり、経済的な損失を被った経験のある方。
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