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Channel: 赤峰和の「日本が、日本であるために」
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放談(130) 東アジアの要衝・沖縄――沖縄は祖国のいのち(2)

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?.放談 「横井君と藤原君、そして赤峰君のあげな話、こげな話」 第130回 

 東アジアの要衝・沖縄――沖縄は祖国のいのち(2)


( 「沖縄の危機はアジアの危機――沖縄は祖国のいのち(1)」のつづき)

赤峰 これまでのお話から、中国は、沖縄を日本革命の橋頭堡にして、さらにアジア、オセアニアに覇権を確立しようとする意思を強く感じます。沖縄は日本にとっては要衝の地であるわけですが、中国にとっても沖縄は要衝の地であることは間違いないようですね。

藤原 沖縄は軍事的な側面以外にも物流と言う観点からも要衝の地なのです。上の左の図をご覧ください。  
2007年、第1次安倍内閣が打ち出した「アジアゲートウェイ構想」を受けて、全日空は沖縄での貨物ハブ【※1】構想を発表しました。なぜ、成田、羽田、関空をさしおいて、沖縄にしたのか。それは、沖縄が東アジアの中心に位置するからです。那覇空港から香港までの飛行時間は約2時間半で、東京と変わりません。台北に至っては1時間半です。飛行時間4時間圏内には、東京、ソウル、上海、北京、マニラ、ハノイとアジアの主要都市が並びます。

【※1】ハブ空港(拠点空港)とは、広域航空路線網の中心として機能する空港である。航空路線網を自転車などの車輪に例える例からこの名が付いた。

横井 いつも東京を基点に地図をみているだけではわからないものなんですね。なるほど、沖縄は東アジアの中心に位置しているということがよくわかります。

藤原 これまでのハブ空港は韓国の仁川だったのですが、今年から、羽田空港の拡張で羽田が人的な移動面でのハブ空港化しました。それに加え、沖縄が物流面でのハブ化をなしとげたということになります。ですから、東アジアの物流を制する沖縄というのは、ものすごく重要な拠点であるということがお分かりになると思います。

また、以前も地図を南北逆さまにして説明したことがありますが、極東ロシアから日本列島全体を見た場合、日本列島がアメリカにとっては最大の防衛ラインになるのがお分かりになると思います。東西冷戦期には、ソ連の艦船が太平洋に出るためには、宗谷帰郷、津軽海峡、対馬海峡を通らざるをえない。軍用機も国際海峡であるその三海峡を通過せざるを得なかったわけです。ロシアになったいまでも事情は同じです。

さらに現在、領土領海を広げようとする中国も、太平洋に出るためには、尖閣から沖縄付近を通るか、現在係争中の南シナ海を通ってでるしかないわけです。中国・ロシアという二つの軍事大国の太平洋進出を抑えているのが日本列島であるというのも分ると思います。

アメリカにとっては日本はなくてはならない存在であり、日米同盟は日本以上にアメリカの方が重要視しているというのがわかります。

横井 中国にとっては日米同盟ほど邪魔な存在はありません。要衝の沖縄に米軍基地があって東アジアに目を光らせていることは中国にとっての最大の脅威ということがわかりますね。沖縄が日本の領土である限り、中国の太平洋進出は不可能になりますからね。

藤原 中国としては、沖縄で反基地闘争を行わせて米軍基地を沖縄外に移転させる。那覇空港から4時間で行ける距離ということは、米軍基地からも4時間で行けるということです。米軍基地がなくなれば、中国にとって都合がいいわけです。

そのためには、米軍基地に反対する運動を組織化させる。沖縄の政治家を取り込むことはもちろんとして、一般の人たちにもアメリカを嫌悪させるプロパガンダを徹底する。また、琉球独立論を掲げて沖縄は日本とは違うという洗脳をしていくわけです。

本土からプロ左翼を動員したり、沖縄に住まわせる。米軍基地周辺に一坪地主運動を展開させる。しかも、その資金源は日本から中国に渡しているODA資金が使われています。このような、工作が、1972年(昭和47年)5月15日の施政権返還の時点から始まりました。なお、日中国交正常化も1972年9月25日のことです。

横井 中国は沖縄が本土復帰するまではアメリカの施政権下にある沖縄には手を出せませんでしたが、日本本土の方には相当早い時期から手を入れていました。とくに70年代安保闘争の全共闘系統にはかなりの部分、中国の影響を受けていました【※2】。中国の文化大革命の「造反有理【※3】」などをよく使っていましたからね。そういうプロ左翼を沖縄に送りこんだのでしょう。

【※2】社会主義学生同盟(社学同)や共産主義者同盟(共産同)内のML派に影響を与える。なお、ML派は、当時から中国直系で豊富な資金源は天津甘栗の利益だと揶揄されていた。
【※3】造反有理:中国語で「造反に理有り」(謀反にこそ正しい道理がある)の意で、「革命無罪」と並び中華人民共和国の文化大革命で紅衛兵が掲げたスローガン。


赤峰 沖縄も本土復帰前は非常に愛国的だったそうですが、本土復帰後はその傾向が大きく変わっていったようですね。SAPIO2012年6月6日号の記事に「日本兵は“鬼畜”のような存在 沖縄県教職員組合の反日教育」というのがありますから一部引用します。

沖教組の前身は1947年に設立された沖縄教育連合会(1952年に沖縄教職員会と改称)という組織で、校長ら管理職も参加しており、労働組合ではなかった。反日どころか、本土復帰運動の母体となった沖縄県祖国復帰協議会(復帰協)の中心的存在でもあり、「祖国愛」教育を実践していた。

ところが、まさに本土復帰運動が高まった頃から変質していく。1963年頃、本土で展開されていた安保闘争が遅れて沖縄に波及する形で、「沖縄を階級闘争の拠点に」と訴える活動家や学者・マスコミが本土から押し寄せてきた。その影響を受けて次第に沖縄教職員会も変質し、本土復帰を「米軍基地が残る欺瞞的返還だ」として反基地闘争を展開することになったのである。教職員会の愛唱歌「前進歌」4番の歌詞「友よ仰げ日の丸の旗」も問題となり、削除された。

その後、教職員会は1971年、労働組合としての沖縄県教職員組合に改組され、本土復帰を経て1974年に日教組に加盟したのだが、沖教組には革マル派が深く浸透しているとする公安関係者の証言すらある。


横井 このような沖縄の祖国愛への思いは、反日勢力によってかき消されていったわけですね。むしろ反米、反日、沖縄独立論へと振り向かされてきたように思います。

赤峰 評論家の江崎道朗氏が、学生時代にまだ本土復帰して間もない沖縄を訪問したときの対話が印象的ですので引用してみます。

独立したら(祖国復帰したら)、自衛隊が大挙してきてくれると思っていた。ところが、米軍がそのまま残った。(戦争で)自分たちの家族を殺した相手と商売して生きてゆかなければならなかった。この屈辱は耐えられない。自分の妹を焼き殺されている。自分の母を殺されている。しかし、戦後その相手とニコニコして商売しなければ、家族を養って生きていけなかった。この屈辱を何とかしてもらいたいというのが、自分たちの独立の一番の願いだった。しかし、祖国復帰したにもかかわらず、お金は来たが自衛隊は(大挙して)来なかった。

藤原 沖縄は大東亜戦争末期の激戦地でした。多くの日本人が散華された地です。その地で、アメリカの施政権下にあって生活することは大変辛かったと容易に想像できます。ある面ではやるせない思いもあるでしょう。そこに反米感情をたきつけて、「米軍基地は許せない」、「日本政府は何もしてくれない」と不満を増幅させていったのが、反日の人たちということなのだと思います。

横井 沖縄の本土復帰後の約2ヶ月後に、田中角栄政権が誕生します。そして、それ以降の自民党政権は、田中角栄氏とその系譜の人たちがずっと中枢を支配していました。彼らの手法は、すべて「金で解決する」ということでした。不満を聞けば金をばら撒く、大声で騒げばまた金をばら撒いて黙らせる。この繰り返しをしていましたね。

赤峰 あるテレビ番組で評論家の惠隆之介さんが重大な暴露をしていました。

「総務省管轄の基地周辺対策費【※3】70億円、資金使途自由」というお話です。琉球新報2005年4月9日の記事にも「基地周辺対策費に64億9800万円 前年度比22.3%増」という見出しがあります。そして、恵氏は「これで味を覚えた人達はドンドンドンドン要求を拡大していって、今一括交付金1500億円」、「しかも、このお金、中国とか韓国に流れて行ってんですよ」と言っておられます。

【※3】基地周辺対策経費には、周辺環境整備として、障害防止事業、騒音防止事業、民生安定助成事業、など9項目、また住宅防音があり、そのほかにも、補償経費等、提供施設の整備、など大きく6項目が定められている。


藤原 これは沖縄の人を金で口封じしようとした愚民政策ですね。こういう金権風土に人間をおきますと、要求ばかりするようになりますよ。基地対策として本当に必要な防音二重窓とか沖縄は暑いですから空調設備を基地周辺住民に対策として行わなければなりませんが、この中には相当無駄な経費が含まれていると思いますね。

横井 それと同時に、金をばら撒く過程で利権構造を作り上げていますよ。たとえば施設建設にあたっては特定の業者を指名させて、そこに、当然有名な政治家がからんでいたりします。

また、一番不思議と思うものに小沢一郎氏の別荘があります。米軍基地の移設先の名護市辺野古から南に約9?のところです。「老後に住みたいと思って購入した」という話です。「李下に冠を正さず」という言葉をご存知ないようです。

沖縄の人にとって、本土の政治家が沖縄の人を愚民扱いし、さらには、己の利権確保のために沖縄を利用してばかりいては、「本土の人間は信用できない」と思うのも当然ではないでしょうか。

今日の沖縄がこれほど左傾化してきたのは、中国とその傀儡の仮装市民の活動があります。また、沖縄の人びとに政治不信を与えた政治家(野党になった人も含む)の責任も大きいと思います。政治家はそのような政策を二度と繰り返してはならないと思います。

赤峰 それでは、ここで識者にご意見をいただきます。

・沖縄の人々は本来、素朴で無欲で純粋な精神性を持った方々ばかりです。

・人に共感する能力も高く、周りの人に深い愛情を持っています。

・戦後のアメリカによる統治の時代、私たちの想像を超えた苦しみを味わってきたことは確かなことです。


・しかし、沖縄の人々は、悲しみや苦しみを拒絶することなく、そのまま受け入れてきました。

・独特の美徳と言っても良いかもしれません。

・そこに入り込んだのが反日思想、反日活動家たちです。

・恨み、憎しみ、妬みなどの感情を煽り、日本そのものを敵視するところまで毒を蔓延させてしまったわけです。


・沖縄のおよそ三分の一が汚染されたと言っても過言ではありません。

・そして、お金のばらまきにより、本来無欲であったはずの人々の欲望を助長させていったことも確かです。


・沖縄に対する国の政策は、沖縄の人々の心を真に理解するところから、もう一度考え直していただきたいと思います。

・沖縄の人々におかれましては、どこまでも透き通った海のような、美しい心を思い出してほしいと願っています。

つづく



当ブログは、?.赤峰和の時事解説、?.時事放談(鼎談)、 ?.日本政治精神史、?.国際政治解説、?.提言、?.平成ネット塾、の六つで構成されています。時宜に応じて、テーマごとに分類して解説を加えてまいります。


読者へのお願い:当ブログでは、以下の体験のある方を募っています。
1.学校の修学旅行や職場の旅行、個人旅行などで韓国に行き、慰安婦像の前で謝罪や土下座をさせられたなど、屈辱的な体験をされた方。
2.韓国企業との取引や、韓国との文化交流などの中で、慰安婦がらみの屈辱を受けたり、経済的な損失を被った経験のある方。
3.そのほか、思わぬところで、慰安婦がらみで不快な体験をされた方。(国内、海外問わず)

このような体験をされた方から詳しいお話をお聴きしたいと思います。お心当たりのある方は下記のメールアドレスにご一報ください。
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