Ⅱ.放談 「横井君と藤原君、そして赤峰君のあげな話、こげな話」 第136回
国会議員の資質

(「臨時国会が波乱に見えた背景」の続き)
赤峰 さて。意見書などでは取り上げなかった政党が一つあります。小沢一郎氏率いる生活の党です。藤原さん、横井さん、簡単に生活の党について論じてください。
藤原 生活の党は小沢氏の個人的な考えが、党の運動方針にそのまま直結する政党ですから、ここは小沢論を述べたいと思います。
小沢氏には致命的な欠陥があります。小沢氏の主張を認めない人をすべて敵にしてしまうのです。常に自己本位で、周りを自分の意見に従わせようとします。これまでの人びとの離合集散がそれを物語っています。このような個人の性格で成り立っている政党は、国家を論ずることはできません。
国民は党利党略、私利私欲の政治を拒絶しています。国民は、国家の一員として、国益の視点を優先して物事を考えようとしています。国民の生活が、国家という前提の上に成り立っているのを知っているからです。しかも、現状の日本を取り巻く環境が、膨張主義の中国、理不尽な主張を続ける韓国の狭間にあることも知っています。国家の防衛と国民の安全、安心とは何かを考えながら行動しているのです。
したがって、生活の党が、国民政党としての道を歩みたいのなら、「国益のために何をしなければならないのか」という発想に立たねばなりません。その意思がなければ、国民の意識との乖離を埋めることはできません。その上で、対中、対韓への追随、追従を改めて、毅然たる姿勢を示さなければならないのです。
横井 世界観、国家観が根本的なところで違っているのです。当然日本人に受け入れられるものではありません。これからの時代、生活の党が国民の支持を得られることは殆どないと思います。
赤峰 では、党派ということを離れて国会議員の動きを見てみたいと思います。最近、変わった動きが二つありました。両者とも韓国に関わる問題です。ひとつが日韓議員連盟の訪韓、もうひとつが日韓協力委員会での訪韓です。
藤原 10月25日にソウルにて、第37回日韓・韓日議員連盟合同総会が開催されました。出席した国会議員【※1】は、韓国の言い分を聞いてきただけのようです
【※1】出席メンバー(敬称略):自民党;額賀福志郎、中谷元、河村健夫、三原朝彦、金子恵美、竹本直一、武田良太 民主党;中川正春、大畠章宏、岸本周平、白真勲 公明党;石井啓一、遠山清彦、國重徹、興水恵一、高木美智代、樋口尚也、中野洋昌 共産党;志位和夫、笠井亮、穀田恵二 維新;鈴木望、伊東伸久、谷畑孝
公明党のニュースでは、「『共同声明』で大きな成果」と述べています。しかし、そんな成果があったとは思えません。次世代の党の幹事長山田宏氏は自身のツイッターで次のように怒りを炸裂させています。
山田宏 @yamazogaikuzo 10月29日
先週韓国を訪問した日韓議員連盟が韓国側と署名した共同声明を入手した。詳しくは私のフェイスブックを見てほしいが、「河野談話」「村山談話」そして「菅直人談話」の継承の「再確認」のみならず、「日中韓三国共同(歴史)教科書実現」や日本における「永住外国人への地方参政権実現」まで約束。
殆ど全て韓国側の要求を丸呑みした形だ。有効のためと言うなら、韓国側に対して、不当な「産経新聞ソウル支局長起訴」や韓国側の長年の「反日教育」や「反日法」の撤回など、わが国が当然に主張すべきなのに、それは影も形もない。
なぜここまで卑屈になってでも、日韓首脳会談を実現したいのか。私にはさっぱりわからない。韓国側が日本に説明すべきことはあっても、いま日本側に首脳会談をお願いしなければならない事案など何もないではないか。
横井 取り返しのつかないことをしました。韓国に行ったら、韓国の間違った歴史観を正し、慰安婦問題の捏造を正し、日本に対するヘイトスピーチをやめさせ、産経新聞前史局長加藤氏の解放を断固主張しなければならないのです。
このような態度では、次の選挙の時、国民がNO!の審判を突きつける可能性が極めて高くなりました。
赤峰 11月5日から民主党の幹事長の枝野氏と政調会長の福山氏らが3日間の日程で韓国を訪れ、「日韓協力委員会」の総会に出席しました。(新党改革の渡辺秀央氏、自民党の塚田一郎、高野光二郎両参院議員ら約30名が同行)
日韓協力委 共同声明出せない異例の結果 NHK 11月6日
日韓協力委員会と韓日協力委員会は50回目となる合同総会を開き、両国の国会議員や企業経営者などが出席しました。韓日協力委員会のイ・スンユン(李承潤)元副首相が「この地域の平和と繁栄に向けてリードする役割を模索する有益な機会となるものと思います」と述べたのに対し、日本側の渡辺秀央元郵政大臣も「互いに信頼、尊敬しながら、皆さんとこれからの50年に向かって前進していきたい」とあいさつしました。
このあと、政治・安全保障・経済の各分野で討論を行い、共同声明を採択する予定でした。ところが日本側出席者によりますと、パク・クネ(朴槿恵)大統領の名誉を傷つけたとして産経新聞の前ソウル支局長が在宅起訴された問題に絡み、日本側が声明に「報道の自由尊重されるべきだ」という文言を盛り込むべきだと主張したものの、韓国側がこれに応じず、共同声明は出されませんでした。【以下略】
藤原 これも何をしに韓国を訪問したのかがよくわかりません。しかも、産経新聞前支局長の問題を解決できずに、共同声明発表もなかったというのは政治力がない証拠です。枝野氏や福山氏にとっては訪韓はさらに減点になったように思います。
横井 日韓議員連盟も、日韓協力委員会も、まずは、基本となることを全く勉強していないから、こういう浅はかな結果しか得られないのです。信念がなく、相手から強く出た言葉を跳ね返す気力もなければ、反論も出来ず、帰国せざるを得ないのではないでしょうか。
つづく
当ブログは、Ⅰ.赤峰和の時事解説、Ⅱ.時事放談(鼎談)、 Ⅲ.日本政治精神史、Ⅳ.国際政治解説、Ⅴ.提言、Ⅵ.平成ネット塾、の六つで構成されています。時宜に応じて、テーマごとに分類して解説を加えてまいります。
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