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ネット塾(49) 南京事件、靖国神社参拝が外交カードに使われた理由

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?.平成ネット塾 第48回

南京事件、靖国神社参拝が外交カードに使われた理由 





赤峰 読者からの質問が寄せられています。

2014-08-23 22:51:53 ノッポさん
南京大虐殺、靖国参拝を中国、韓国が外交問題化、100人斬り等はどういう経緯で、今に至るのか。取り上げていただければと思います。

歴史問題ですから、横井さん回答をお願いします。なお、当ブログでは「南京大虐殺」は虚構であるという立場をとりますので「南京事件」という言葉といたします。

まずは、南京事件がなぜ中国の外交カードになったのかということと、関連質問としての「100人切り」についてお願いします。


横井 南京事件が最初にクローズアップされたのは、日本が戦争に負けて、極東軍事裁判(いわゆる東京裁判)が開かれたときのことです。この極東軍事裁判は「勝者」が「敗者」を裁くものでしたので、この裁判の判事の一人であったインドのラダ・ビノード・パール判事が判決文中に次のような意見を述べています。

「戦勝国が敗戦国の指導者たちを捕らえて、自分たちに対して戦争をしたことは犯罪であると称し、彼らを処刑しようとするのは、歴史の針を数世紀逆戻りさせる非文明的行為である」、「この裁判は文明国の法律に含まれる貴い諸原則を完全に無視した不法行為である」、「ただ勝者であるという理由だけで、敗者を裁くことはできない」

と、東京裁判が国際法に違反する復讐であるとして、その違法性と起訴の非合理性を主張していたものです。

この裁判では、蒋介石率いる中華民国《現在は台湾に》が、「南京で虐殺があった」との「虚偽報告」を行い、判決では 20 万人以上(松井司令官に対する判決文では 10 万人以上)が虐殺されたと結論付けられました。また、同時進行で行われた南京戦犯裁判軍事法廷では 30 万人以上が虐殺されたと結論付けられました。

次にこの問題を蒸し返したのは、朝日新聞でした。日中国交正常化直前の1971年(昭和46年)8月末より朝日新聞紙上に掲載された本多勝一記者の『中国の旅』という連載記事によるものです。

本多氏は『戦後日本人の中国像』(新曜社)の中で次のように語っています。
取材の協力をしてくれたのは出先の各地の革命委員会です。省ごと村ごとにありました」、「例えばある街に行きますと、予め中央から指示が来ていますから、現地では聞くべき相手を準備しています。

2014年9月4日号の週刊文春の取材で本多氏は「私自身の調査結果としての数字を書いたことはありません」と述べています。
(この部分追加8/31 08:30)


また、当時の中国の教科書には虐殺の記述はないようです。さらに、1960年から1982年まで人民日報には南京事件を論じた記事は一つもないようです。


なお、本多氏のこの記事で、「百人斬り競争」が大々的に報道されました。これが後に、山本七平氏と鈴木明氏の“百人斬りは虚構である”との主張から大論争に発展しました。山本七平氏は「日本刀は三人戦闘で斬れば使い物にならなくなる。だから100人も斬れるはずがないので100人斬り報道は虚偽である」と主張しています。
(参考書籍 『再審 南京大虐殺―世界に訴える冤罪』《明成社》)


つぎに、南京事件が大問題になったのは、1982年(昭和57年)の教科書問題の時です。「検定で侵略を進出と書きなおさせた」という誤報(教科書誤報事件)をきっかけとして、日本の教科書における事件の記述が政治問題化しました。日本テレビ記者の読解力のなさが招いた事件ですが、これをマスコミ各社が一斉に報じ、中国政府から公式な抗議を受ける事態となりました。

また、1990年代には、アイリス・チャンの『ザ・レイプ・オブ・南京』が登場し、論争は国際的なものになっていきました。

結局、中国政府が「南京事件」を外交カードにしたのは1980年代以降であると思われます。

ところで、なぜ中国がこの問題を外交カードにしているのかを國學院大學の大原康夫教授がこのように分析しています。

中国共産党政府がしばしば〈南京大虐殺〉を引き合いにしつつ、日本に対し執拗に過去への「反省と謝罪」を求めるのは、米国議会調査局も分析しているように、「狙いは援助や譲歩を引き出すこと」にあることは間違いないが、もう一方には、冷戦終局後の東アジアに覇権を確保するために、その障害となる日米同盟に楔を打ち込む一つの手段として、旧連合国同士で共感を抱きやすい旧敵国日本の「悪行」の記憶を呼び起こそうとする意図があると見てよい。


最後に、『再審 南京大虐殺―世界に訴える冤罪』の著者の一人である筑波大学名誉教授の竹本忠雄氏は序言の中で次のように述べておられます。ここに全てが語りつくされているように思います。

わずか六週間で市民三十万人が殺され、死体の多くが石油で焼かれたなどというが、そのためにはアウシュヴィッツ並みの大火葬場が何十箇所も必要であろう。いったい誰があの密閉された城壁空間内でそんなものを見たのか。

加えて、『レイプ二万から八万』という。ソ連兵のベルリン攻略の後は大変な“ベビーブーム”であったと伝えられるが、南京戦後、同市内に日中混血児があふれたなどと誰が事実を記したか。

換言すれば、『大虐殺がなかった』ことを論証するのが目的なのではなく、『大虐殺があった』との立証が全然なされていないという事実を明示しよう、それで一切を明白にするうえに十分であると思料する立場を取ったのである。

ここに初めて我々は沈黙を破る。ただし、中国式金切り声ではない。被告席に立たされた日本の、低音で立ち昇る、しかし清明公正なる陳述である。



赤峰 もうひとつの質問は、「靖国神社問題を外交カードにした中国と韓国」についてです。これについては、「歴代首相の靖国神社参拝を妨害した朝日新聞 加藤千洋元記者」のところをご参照下さい。




※お知らせ NHKへの要望書解説は9月1日0:00に行います。

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なお、当方へのお問い合わせは akaminekazu2014@gmail.com まで、お願いします。

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