?.平成ネット塾 第50回
拉致問題の解決を望まない朝日新聞の闇

赤峰 9月9日のコメント欄に
「北は本気で拉致問題解決の意欲はあるのでしょうか?本日、拉致調査報告がずれ込みそうだとありました。今回は北は本気なのかと信じようと思っていましたが やはり一筋縄では行かぬしたたかさですね。横田さんご夫婦のお姿をTVで お見かけするたび涙が出そうになります。」
というご質問がありました。少々気になりましたのでこの問題を取り上げてみたいと思います。では、藤原さんよろしくお願いします。
藤原 このところ、拉致問題解決に若干悲観的な意見が各方面から出されていますね。
まずは、民主党の石井一元国家公安委員長(80)が8月29日、神戸市での自身の旭日大綬章受章記念パーティーで「日本政府はいまだに横田めぐみさんらを返せと騒いでいるが、もうとっくに亡くなっている」との問題発言をしています。根拠もなく、自身の祝いの席で、こういう発言をするのは、ある種の意図が含まれていると感じます。
また、9月1日には、「外務省の伊原アジア大洋州局長と北朝鮮の国家安全保衛部の幹部がマレーシアで極秘に協議していた。北朝鮮側が拉致被害者に関する具体的な情報を出さなかったため、日本側が詳細な情報を出すよう強く求めたという」という報道もなされました。
これなども秘密協議がなされたのは事実でしょうが、外交上の協議ですから、この報道内容を真に受けるわけにはいかないでしょう。報道サイドの憶測がかなり混じっているでしょう。
さらには、9月9日にはこのような報道もありました。
拉致調査報告ずれ込みへ=日朝、制裁緩和で隔たり 時事通信社 2014年9月9日
北朝鮮による拉致被害者らの再調査報告が9月中旬以降にずれ込む見通しとなった。日朝両政府は今週中にも行う方向で調整していたが、制裁緩和の内容をめぐる双方の隔たりが埋まらないためとみられる。安倍晋三首相は国連総会出席などのため22日ごろから1週間程度の訪米を予定しており、これに間に合わなければ報告時期はさらに大幅に延びることになる。
これなども、山谷拉致問題担当大臣が9月7日の金沢市の記者団へのインタビューで「北朝鮮の調査報告、時期言える段階でない」との発言を悪意に解釈して報道したものではないかと思われます。
外交交渉の中身を軽々しく口に出来る問題ではありません。個人間でも問題が解決するまでは口外しませんから、国家間でも同様の約束が存在します。マスコミは記事にするために「憶測」で書きますから、信用できない側面があると思います。
なかでも、とくに反日マスコミにとっては、「拉致問題は解決してほしくない」というのが本音にあるはずです。その理由は、拉致問題が解決しなければ安倍政権に対する不信を増幅させ、あわよくば倒閣にもっていけること。さらには、拉致問題解決で日朝間が交流することを嫌悪する韓国への特段の配慮が見え隠れするからです。
したがって、拉致問題の多くが恣意的に報道されていますので、日本政府の直接の報道以外は信用できないと思います。ただし、日本政府の発表は、外交交渉ですから、慎重な発言であることは理解すべきだと思います。
赤峰 では、反日に全力を投じている朝日新聞の報道状況を少し振り返ってみたいと思います。
まず、朝日新聞報道が「揣摩臆測(しまおくそく=根拠もないのに、自分だけで勝手に推測すること)」で書いているものがありましたので最初に取り上げてみます。
5月29日「拉致再調査に多くの難問 急接近、外交不信を招く危険も」、「家族 『期待したのに』 拉致再調査、日朝合意せず 局長級協議」
これは、「ストックホルムで開いていた外務省局長級協議が継続となった」として、批判を展開した記事です。安倍政権批判へもっていこうとしていました。また、横田ご夫妻までも持ち出して、政府の対応が悪いと政権批判をしています。
ところが、この日の夕方、安倍総理は記者会見で次のように述べました。
「北朝鮮側は拉致被害者および拉致の疑いが排除されない行方不明の方々を含め、全ての日本人の包括的全面調査を行うことを日本側に約束をしました。」
朝日新聞の報道が真っ向から否定されました。翌日の朝日新聞は一瞬ですがトーンを変えます。
5月30日「(社説)拉致再調査 今度こそ真の救済を」と、いかにも拉致問題を重要視しているかのような姿勢を示しています。
しかし、すぐに、「拉致問題」を解決したくない朝日新聞の報道が復活します。
5月30日 「核・ミサイル、対応懸念 韓国『北朝鮮、揺さぶり』 拉致再調査、日朝合意」
6月04日 「米韓6者協議代表、日本を牽制 日朝の動き『透明性を』」
6月11日 「『拉致』再調査、北朝鮮は何を狙っているのか?」
6月23日 「特定失踪者、帰り待ちわびる家族 『あまりに時過ぎた』」
7月04日 「拉致再調査、予断許さず 日朝交渉、進展・停滞の歴史」
7月04日 「米高官、日本の制裁解除に苦言 北朝鮮めぐる結束に懸念」
7月05日 「日米韓の連携、米は重視 北朝鮮制裁一部解除に懸念」
7月26日 「安倍外交、米の憂い 対ロシア・対北朝鮮」
藤原 いかにも朝日新聞らしい報道ですね。まず、第一に指摘できることは朝日新聞が拉致問題の解決を望んでいないことがよくわかります。言葉の端々にそれがにじみ出ています。また、朝日新聞と密接な関係にある韓国が同様に、拉致問題解決を望んでいないこともわかります。
さらに、朝日新聞がアメリカの意向をもちだしていますね。これは、朝日新聞が日本政府を攻撃する場合の常套手段です。アメリカが懸念を表明するという図式を示して、安倍政権がアメリカからも見放されていると見せかけようとしているのです。
赤峰 当ブログで「拉致問題解決への北朝鮮の本気度」(2014-06-23)の中で、最も信頼する情報筋に、北朝鮮の本音をうかがったことがありました。再録します。
金正恩氏は拉致問題の解決にかなり前向きです。金正恩氏は従来から北朝鮮が言ってきた言葉を、違う言葉で訂正しようとしています。つまり「調査した結果このような人がいたので日本に帰国させる」という結論に持っていくようです。いまのところ11名ほどの日本人が候補に上がっているようです。
その中には横田めぐみさんの名前も入っています。
しかし、金正恩氏の思い通りにいくかと言えば、身近に反対意見を言う人もいるようです。金正恩氏は推し進めたいと考えているのですが、中にはあまりに金正恩一族に近い立場に立ってしまった人がいるようなので簡単にはいかないようです。その方ご自身が、日本への帰国を積極的に望んでいないようです。
北朝鮮側は帰国候補者一人一人の事情に合わせた調整も始めているようです。つまり、帰国を強く希望する人と、北朝鮮に残留を希望する人の選別作業です。最終的には8名の方が帰国を希望しているようです。北朝鮮側は残留者の名前や生存を明らかにすべきかの検討に入っているようです。
日本が考えている、単に「行方不明者の調査」ということとは若干ニュアンスが異なります。また、中国を介在せずに、日本と北朝鮮との間にはホットラインがあるようです。
藤原 この情報と見比べてみますと、朝日新聞や一部マスコミ報道が、いかに杜撰なものであるかは一目瞭然ですね。やはり、北朝鮮のように情報がベールで隠された国に対しては、あまりマスコミ報道では真相を語ることは出来ないと思います。それこそ、朝日新聞のように「揣摩臆測」で書かれているものが多いのですから、政府の公式な発表を待つのが筋だということだと思います。
赤峰 最後にこの問題に対して、信頼できる情報筋からのお話を伺ってまいりましたのでお伝えします。
・朝日新聞は、拉致被害者の一日も早い帰国を望むことよりも、安倍政権下での拉致問題解決が失敗することを望んでいます。
・これは朝日新聞の伝統的な癖です。
・しかも朝日は、いかにも日朝交渉が不信感により難航しているかのように、ネガティブに報道しています。
・報道の仕方によっては、日朝関係をこじらせ、拉致問題解決が不可能になることもあり得ます。
・今回も朝日は同じことを繰り返そうとしています。
・北朝鮮側の担当者は、日朝の関係者だけの交渉内容を、朝日などのメディアが無責任に報道していることに不快感を持っています。
・日本政府と北朝鮮の間には、ほかの国や組織が介在しない直接のパイプがあります。
・そこでの発表以外は、「不正確な推測情報」か、「悪意ある偽情報」の可能性があることを知っておく必要があります。
・現時点では、交渉担当者同士に良好な信頼関係ができているようです。
・マスコミ報道に惑わされず、両国の信頼に基づく解決がなされることを期待しています。
了
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