?.放談 「横井君と藤原君、そして赤峰君のあげな話、こげな話」 第122回
中国の罠におちる――諸悪の根源としての朝日新聞(7)

(「拉致の原因をつくる――諸悪の根源としての朝日新聞(6)」のつづき)
?日韓、日中関係を悪化させた=朝日新聞のマッチポンプ報道が全ての原因
赤峰 ここでは日中関係がなぜこのように悪化してきたのかを中心に論じてみたいと思います。
もう何度も繰り返し説明されていることではありますが、朝日新聞が中国の軍門に下ったのは1960年代半ばのことだといわれております。それは、1966年からのはじまった文化大革命でそれを報道した日本のマスコミは次々に中国を追放されますが、唯一、朝日新聞だけが残ることができたからです。
朝日新聞出版の『新聞と「昭和」』にはこう書かれています。
秋岡【※1】は67年11月、前任の野上と交代。北京赴任に際し、社長の広岡知男から指示を受けた。『それを書けば国外追放になるという限度があるだろう。そのときは一歩手前でとまりなさい。極端にいえばゼロでもいい。』
【※1】秋岡:当時の朝日新聞社北京支局長、秋岡家栄氏。日中友好99人委員会創設者兼総代表。
その後の朝日新聞の中国関連報道は、人民日報日本支社かと思うほどの中国寄り報道になってきます。
1970年04月22日 広岡知男社長が記事「中国訪問を終えて」で文化大革命を礼賛
1971年08月26日 本多勝一記者が「百人斬り」「万人抗」等、日本軍の残虐を印象付ける捏造コラム「中国の旅」を31回連載
1971年09月13日 林彪【※2】事件を否定・隠蔽報道
【※2】林彪(りんぴょう):文化大革命で失脚した劉少奇に代わって毛沢東の後継者に指名されるが、「反革命集団の頭目」と指弾され、逃亡の途中、墜落死した。世界のマスコミも林彪が失脚したことを報じた際にも、朝日新聞は「変化はない」と報じた。
1985年08月05日 加藤千洋記者「中国『日本的愛国心を問題視』」という記事で、靖国問題に火をつける
また、中国のチベット弾圧に関しても、基本的に中国の立場に立った報道を展開しています。
1989年10月07日 社説【※3】でダライ・ラマ14世がノーベル平和賞に選ばれた際に中国の意見を代弁。
【※3】社説:中国は"内政干渉"だと強く反発しており、平和賞が対立を助長させる原因ともなり、そうなれば"平和賞"の名が泣くことになる。ダライ・ラマ陣営はこれを機に和解のために行動することを願う
※「靖国問題」を引き起こした加藤千洋氏ついては、以前にも詳細に述べていますので割愛します。(「歴代首相の靖国神社参拝を妨害した朝日新聞 加藤千洋元記者」ご参照
横井 さて、朝日新聞は、1990年代までに120万人もの人が虐殺されたチベット弾圧や、1972年までに36万人虐殺されたというウイグル自治区への武力弾圧については確かに何も報道していませんね。
藤原 2008年の北京オリンピックのときに、チベット人が再び抗議活動を起こして、中国政府は武力弾圧したことがありました。ここでも多数の死傷者がでました。世界中が中国を激しく非難しました。しかし、このときの日本政府は自民党福田政権下にありましたが、中国に配慮して、強い抗議をしませんでした。
それに対して朝日新聞は、「首相はもっとしっかりと中国へ語るべきだ」とする社説を掲載したのですが、かえってそれが大問題になったことがあります。「朝日こそこれまで何もチベット問題について報道をしてこなかったではないか」との批判がマスコミ業界から続出したのです。
横井 2008年3月20日の『朝日川柳』には、「五輪前どうにも邪魔な生き仏」という川柳を掲載して物議をかもしました。これが朝日新聞のホンネでしょう。
朝日新聞は言い訳をしていましたが、これはチベット人とチベットの統合の象徴であるダライ・ラマ14世に対する侮辱です。こういう態度に朝日新聞社の人格の低劣さがみえます。
藤原 ところで、中国の対日政策にも朝日新聞の論調が大きく関わっていると思うのですがいかがでしょうか?
中国は国家をまとめるために反日政策をとりました。それが顕著に現れたのが江沢民政権からですが、僕は、江沢民の露骨なまでの反日には、朝日新聞と外務省のチャイナスクール【※4】が多いに関わっているのではないかと考えているんです。まず、当時の時代状況を概説していただけませんか。
【※4】チャイナスクール:文化大革命時代に中国で中国語研修を受けた外交官で親中派と目される。
赤峰 まずは、?小平氏の時代から考えてみましょう。
?小平氏が最高権力を握った時期は1978年あたりから1992年までですが、死亡する1997年までの間も最高実力者として君臨していました。
?小平氏は、1982年に成立した中曽根康弘内閣を警戒して、全国に日本の中国侵略の記念館・記念碑を建立して、愛国主義教育を推進するよう指示を出しています。日本のマスコミなどでは「親日家」のイメージで語られがちですが、実際にはそれは虚像のようです。
この間の在中国大使は、佐藤正二、吉田健三、鹿取泰衛、中江要介(日本日中関係学会会長)、中島敏次郎、橋本恕、国廣道彦、佐藤嘉恭(日中友好協会副会長)の各氏です。この中で、赤字の人がチャイナスクールの代表的人物です。
次に、反日政策を強力に推進した江沢民氏(1992年から2004年までの期間)ですが、つい最近まで院政を敷いていたといわれています。江沢民氏の対日政策は、一貫して反日・強硬路線でした。天安門事件で経済制裁や、ソ連崩壊の影響で中国が崩壊することを恐れ、政治への不満から目を逸らせるために愛国主義教育(反日教育)を推進しました。
この間の在中国大使は、谷野作太郎、阿南惟茂(日中交流センター所長)です。谷野氏は小泉純一郎首相の靖国神社参拝の中止を進言しましたし、阿南氏も小泉純一郎首相宛てに靖国神社への参拝の中止を要請する内容の具申書を打電した人物です。
藤原 こうして振り返ってみると、中国にいた日本の外交官もマスコミの代表も、反日親中の人ばかりですね。中国政府から見れば、「日本人の総意」だと思い込んだのかも知れませんね。
横井 たしかに、朝日新聞や外務官僚の反日親中の行動は江沢民氏らに、間違った認識を与えたのではないかと思います。江沢民氏は1998年11月、中国の国家元首として初めて日本を訪れましたが、その際、非礼な振る舞い行っています。今上陛下と当時の小渕恵三首相に対して過去の歴史に基づいた謝罪要求をし、さらには、宮中晩餐会の席上、答礼のスピーチで、過去の歴史について日本批判を行っています。
それでも、外務省はこのような中国の反日教育に対してはなんら対抗措置も取らず、中国に対する莫大なODA(政府開発援助)を続け、中国はODA資金で「反日施設」を中国国内につくり続けていますからね。
赤峰 中国問題に詳しい評論家の宮崎正弘氏の『中国権力闘争』という著作の中にこういう記述があります。
嘘の集大成をパネル展示した「愛国教育基地」なる施設は中国全土に266ヶ所ある。江沢民政権が地方政府に命じ、予算もつけた。歴史博物館とか郷土歴史館にたぐいする建物に併設したり便乗したりして勝手な歴史を展示した。新設した設備もある。このうちの208ヶ所がいわゆる「反日教育施設」だ。そして中国政府は「不正確な展示で日中友好を傷つける」という日本側の抗議に頬被りし、「中国に反日記念館はない。あるのは愛国教育基地だけである」と嘯(うそぶ)いた。
藤原 朝日新聞を筆頭に堂々と中国に「言うべきこと」を言っておけば、こういうことにはならなかったと思うのです。実に、国益を損ねることばかりしてくれたものです。
朝日新聞も中国からの便宜供与をえるために、日本人としての心を売ったとしか思えません。
赤峰 元官僚で政治評論家の林雄介氏がツイッターでこう述べています。
国際外交は、相手国にあわせてやるのが常識。弱くでたら強気でくる中国、韓国には日本も強気にいかないといけない。譲歩したら、譲歩する国には譲歩しなきゃいけない。やり方を相手国の気質にあわせて変えるのが外交。金太郎飴外交をやるから問題が大きくなる。韓国相手に譲歩したら駄目。
中国と韓国は全く文化も歴史も違う。中国は恨の文化はない。恩は恩、仇は仇でわけて考えるから、強くでるところは強く出て、恩は恩で売っておけばよい。韓国は絶対に弱味を見せたら駄目。190の国があったら190通りに接し方を変えるのが正しい外交。日本は同じやり方で外交する。(9月14日)
横井 そうですね。だから、いま安倍総理が堂々と日本の立場を主張しています。本来の姿勢に戻しています。
結局、朝日新聞はジャーナリストの本分を忘れ、中国を増長させ、日本を貶めるために、中国で活動していたということです。
藤原 さて、もう一方の韓国と朝日新聞の密接すぎる関係と、朝日新聞の扇動によって日韓関係が最悪の状態になったという問題は、前節と「朝日新聞の大誤算」をご参照いただきたいと思います。
赤峰 ここで、朝日新聞のことをよくご存知の識者から超弩級の情報が入りましたのでお伝えします。
・朝日新聞社は、「ねつ造記事問題」が、朝日の「根本的な犯罪」にまで波及するとは想定していないようです。
・根本的な犯罪とは、中国政府と共謀し、「日本を中国の属国にする」という計画です。
・この根本部分が明らかにされない限りは、謝罪しようが、訂正記事を書こうが、それは一時的なそぶりにすぎません。
・朝日の首脳陣は、中国との関係に踏み込まれる前段階で、何とか謝罪や訂正で済まそうと考えています。
・なんとか通り過ぎるのを待ちさえすれば、根本計画は継続できると考えています。
・ねつ造問題の背景には、このような問題が厳然として存在していることを見落としてはなりません。
つづく
当ブログは、?.赤峰和の時事解説、?.時事放談(鼎談)、 ?.日本政治精神史、?.国際政治解説、?.提言、?.平成ネット塾、の六つで構成されています。時宜に応じて、テーマごとに分類して解説を加えてまいります。
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